虫と日記


私は虫が嫌いだ。


人間の大きさだと軽く時速100キロ越しそうな
あの俊足が嫌だ。
あの愛の無い黒い目が嫌だ。そのくせ
欲望だけは他の生き物と同等かそれ以上あるのが嫌だ。
特に食欲と性欲だけ、やたら旺盛なのが嫌だ。


新しいとこに引っ越して、2ヶ月が過ぎようとしています。
良かったところ、悪かったところ色々あるのですが
虫が多い。という点については
少々辟易しております。


1階恐るべし。虫どもは虫のくせに
高いところに行くのを面倒くさいと思う心は
どうやら持っておるみたいで、
いやまぁほんまに1階は虫多いですね!
でかいクモ、でかいGOKIBURI、はえ、蚊。出るわ出るわ
2階より上にしか住んだことのない僕にとって
1階という世界は未だ踏み入れたことのない魔境なのでした。
全国の虫嫌いの皆さん!1階ダメ!


これでも子供の頃はね、
小学校で「虫博士」とか言われてたんです。
今考えたら別に詳しくもなんとも無かったんですが。
それくらい虫が好きで、例えばカブトムシに冬越しさせたり
カイコをイモムシから育ててみたり
おやじにせがんで田舎の源流まで水カマキリ取りに行ったり
ヤゴ(トンボの幼虫)に金魚食わせたり
読む本はファーブル昆虫記だったり
それが今となってはまぁ。見る影もない。
機械が好きです。哺乳類が好きです。


こんなに変わるもんですかねぇ。
きっかけとか特に覚えもなく、変異しました。
おやじ曰く、息子が喜ぶと思って
ある日でかいカブトムシを取ってきたら
引くくらい怖がったそうですよ。
俺がおやじだったらすごい悲しい。ごめんなおやじ。


さて話は現代に戻るのですが、
家に進入してきた虫どもをどうするか。
退治すればいいのかというと、そうもいかない。
言ってみれば、昔の友達ですから
むやみに命を奪うのも。。。と思ったりします。


ただ、いちいち捕まえて家の外に追い出すのも面倒なので
シャンプーによる殺害もやむを得ない場合があります。
なんだ。やむを得ないって。
とりあえずクモは益虫なのでまだ殺したことはありませんが
GOKIBURIには2度ほど死んでもらいました。


よく考えると益虫・害虫ってのもバカバカしいですね。
結局、人の都合ですよ。
どっちもキモいという上では同罪です。
そこらへんおやじは達観しているようで、
以前、楽勝でデカいクモを叩き潰してました。
この人は素手でGOKIBURIを倒したりする強者で、
その瞬間だけ、奴は家族のヒーローになります。
時代劇作家のおやじ曰く「虫には背景に物語が無い」
なるほど。
死して屍拾う者のない孤独な男に対しては、
彼は非情になれるのであります。すばらしい!


僕はそこまで達観してません。
誰か、虫が家に入ってこない方法知りませんか。