リード・ジ・エアー


「空気を読む」という言葉が世の中に蔓延しているようです。
これは本当にうまく出来ている言い回しだと思います。
とても日本的です。武士道・茶道などの道(どう)的です。
改めてこれがどういう意味なのかを具体的に考えてみると、
要するに周りのシチュエーションや層を的確に判断して
それに対して適切な行動や言動を取る、ということですね。


で、その逆。「空気読めてない」
「空気読めてる」も「空気読めてない」もKとYになるはずなんですが
「空気読めてない」のみ、略してケーワイと言うようです。
つまり、「あいつ、空気読めてるなぁ」と褒める機会より
「あいつ、空気読めてないなぁ」と悪口を言う機会のほうが
圧倒的に多いということでしょうか。


でもね、その行動・言動がその場に本当に適切かどうかなんて
よっぽど頭の回転が速くて気の利く人にしか判定できないと思うんですよ。
周りにいる人のうち、誰かがイヤな思いをしていないかとか
誰かに迷惑をかけていないかとか、話のコシを折っていないかとか
そういった可能性を想像して立ち振る舞えるかどうか。それが
「空気読めてる」か「空気読めてない」かの判断基準になるんですが
そう考えたら、「空気読めてる」より「読めてない」のほうが
大概の人にとって高確率なはずですし、
それをわざわざ「お前は空気を読めてない」というと言うことは
簡単に言い換えれば
「お前は周りの状況下で適/不適を判断できないバカだ」
と言っていることになります。そして
その言葉を口にだした時点でその人は「空気を読めている」という
自信があるわけですね。
つまり
「お前は俺よりバカだ」
と言っている、ということになります。
だからこの言葉、よく出来てると思うけどあんまし好きじゃないんです。
なんでもかんでも言ってちゃダメですよ。


一度、誰かに「空気読め」と言う機会があったら
その後に「俺は読めている」と付け加えてみたらいいんじゃないか。
案外、自信は無いはずです。


でも僕が空気読めてなかったらこっそり教えてください。


あぁ、あとよく人に「空気読めて無い」って言われる人がいたら
少なくとも立ち振る舞いが一般的では無いということだと思います。
ただ、上で言ったように本当に「ただのバカ」なのかもしれません。
気をつけてみましょう(笑)